迫り来る恐怖

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~山田side~ はじめてふたりに会ったのは、 約6年前。 まだこの病院が出来たぐらいの暑い時期。 澪ちゃんは救急車で運ばれて 口のまわりについてる酸素マスクを手で抑えて 息苦しく細身の少女。 「あのっ!澪は…澪は…!?」 20代の男性は看護婦の肩を揺らす。 …彼氏かな? 「落ち着いてください。彼女さんは大丈夫ですから」 看護婦を退けさせて、男性をなだめる 「彼女…?澪は妹ですよ?」 うそ… あんな年の離れた兄妹がいるか…? 「すいません… すこしお話聞かせてもらえます?」 それでわかった 澪ちゃんが心臓が弱くて、発作を起こしやすい事 隼人くんが… 澪ちゃんの事を密かに想ってる事 それから、 澪ちゃんの担当になって 一緒にいる時間が増えた …でも、その楽しかった日々は 終わりを告げてしまうのか… 澪ちゃんは… 難病にかかって 余命あとわずか 僕はあの子が助かる方法をなんどもさがした でも… 見付からなかった あの子は、13歳の時から見てたから… あんな大人になって嬉しかった これからの成長を見てみたい なのにあとわずかの命のあの子に… 僕は何が出来る?
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