ふたり

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俺は先生からもらった紙を見つめる …どんなに足掻こうとも、 澪には死ぬ運命が待ってる 俺よりも…早く 「お兄ちゃん、なんか買ってくるものある?」 「んー…いちご」 「お兄ちゃんいちご好きだもんね! わかった!! 行ってきまーす」 何も知らない澪は、寒いのに薄着で行こうとした 「澪!」 「ん?何?」 「ジャケット忘れてるぞ」 「あぁっ!どおりで寒いと思った!」 笑いながら渡したジャケットを羽織る澪。 …これも 病気のせいなのかな… 「さて…俺も会社に行くか」 いつもみたいにスーツを着るが、 スーツを着ると 肩が重くなる …今会社で勤めてるが、 本当は辞めたくてしょうがない 「浅倉くん!遅いじゃないか!!」 「…はい、すいません」 「先週の件、どうなってんだよ!?」 「…どうぞ」 「……… なんだこれはよ!!お前お遊びで来てんのか!」 資料を俺に叩きつける課長が 俺がやめたい理由 「おぉっ!仁科くん!いいじゃないかこれは!!どっかのクズもこんなのが出来ねーのかよ…」 仁科とは新人で、美人のナイスバディ でも仕事は何も出来ないくせに課長に気に入られてる 「気にしなくていいわよ、あんなの」 同期の戸田は俺の次に課長を嫌う「全く…困ったモンよね」 「…まじで辞めたい」 「私も。でも給料いいのよね」 「…俺、やっぱり辞めようかな」 「………そっか」 …本当は今すぐ辞めたいけど 今はまだ我慢かな
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