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澪の葬式には…
ばあちゃんや麗奈、山田先生や、病院の患者さんたちなど
数多くの人が来てくれた
「澪ちゃん…これまで頑張ったね!」
「ゆっくり…眠ってね?」
色んな人が眠る澪に言葉をかける
その後、俺のためかわからないが
高級な居酒屋で
皆で呑む事になった
ガチャッ
帰ってきたのはもう深夜で…
電気をつけると誰もいない孤独に襲われる
「たらいまぁ~・・・」
デロデロに酔っ払った俺は、
ふらふらでリビングに向かった
ガシャンッ!!
「いって・・・!」
俺は視界が揺らぎ、棚にぶつかった
バサ…ッ
棚から本やらアルバムやらがたくさん出てきてしまった
「あ~あ~」
俺は雑に本を入れる。
「・・・ん~?」
最後に残ったのは
アルバムだった
『隼人・澪』
と書いてあった
ははは…懐かしいな
俺は最初のページを捲る
アルバムには、たくさんの写真と思い出が詰まっていた
まだ俺も澪も幼くて…
無邪気に笑う二人。
お袋はカメラ担当でいつも二人だったのが嫌だったんだっけ…
「ははは…っ澪号泣じゃん」
この時確か澪は4歳で、
公園で遊んでたらいきなり転んで号泣したんだった…
「こんな泣いちゃって…子供だよな…っ」
涙がアルバムのページに落ちる
ガシャンッ!!
俺はアルバムを投げつける
「・・・澪………っ!!」
それから頭を抱えて、止まらない涙を
ずっと流し続けた
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