最終章・妹

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「先生っ!」 俺は先生を追い掛けようとした時… ドンッ!!! バシャッ! 誰かとぶつかって 持っていたじょうろから 水がその人にぶつかった 「あっ!!すいません!ぬらしちゃって」 「いえ…こっちこそよそ見をしてたので…」 その人は髪を耳にかけて 落ちた鞄を拾う 「…え…?」 …澪・・・? いや…澪に似てる人? 顔も声も全部澪で、肩につくかつかないくらいの長さの髪。 「あの…ここの店長さんですか?」 「え?あぁ…はい」 「良かったぁー…あの、お花見てもいいですかっ?」 「はい…どうぞ」 「やった!」 見た目は大人っぽいのに 子供みたいな笑顔を見せるその人 見れば見るほど…澪だ 「花…好きなんですか?」 「えぇ…なんか、花があると落ち着きません?だから私好きなんです」 「へぇ…」 花を見つめる横顔と、 澪の横顔が重なる 「あぁっ!!」 「ど、どうしました?」 「財布忘れたぁ~…もう最悪…せっかく買いたかったのに…」 その人は悔しそうな顔をして、 立ち上がる 「また来ます?」 小さくお辞儀をして、花屋を出ようとしたが 足を止めて 振り返った 「あの・・・ どこかで…お会いしてませんか?」
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