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―19時
帰りに澪の好きなアイスを買った
「本当にー?全然そんな事ないよ!」
ドアの前で、澪が誰かと話してた
「悠くんは偉いよ!ちゃんとお父さんの仕事継ごうとするなんてさ!」
…男?
しかも若くて、澪と同い年くらい
「あっ、お兄ちゃん!!」
俺を見つけると、笑顔で俺のそばに駆け寄る
「早かったね!今日のねご飯はね、肉じゃが!!」
袋を持ち上げて笑う澪の後ろで
俺に頭を下げる
…何あいつ
「あっ、紹介するね!花屋に新しく入った悠くん!中島財閥の御曹司なんだよ?」
「…へぇ」
「どうも…」
「悠くんね?すごい優しいの!家まで送ってくれたの!」
…知ってるっつーの…
澪の明るさが、余計イライラさせる
「浅倉、俺もう帰るね」
「うん、また明日ねー!」
ガチャッ
「ふわぁ~眠い…」
「あいつ…彼氏?」
「あいつって…悠くん?
違う違う!!私彼氏作る気ないし!」
少しだけホッとした自分と、
罪悪感に襲われる自分がいた
「いただきまーすっ!」
肉じゃがをおいしそうに頬張る澪は
子供みたいだった
「どうしたの?食べないなら食べちゃおっ!」
「あっこら澪!!」
俺の肉じゃがを箸に近付ける
カシャンッ
澪の右手から、箸が落ちた
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