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「また絵書くの見てていい?」
「うん、いーよ」
そのあとは何をするわけでもなくて、ただうーちゃんはぼーっと座って、何が楽しいのか俺が絵を描いてる様子を見てるだけ。
もちろん、話もする。
しーんとしちゃうことのほうが多いけどなんでだろう。気まずいからなんかしゃべらなきゃ、とか、そういう雰囲気にはならない。
俺はひたすら絵を描いて、うーちゃんはただ見てる。
この空気感も好き。
今日もそうやって過ごしてたら
いきなりうーちゃんが掠れた声で
「そーちゃん、」と呼んだ。
「…ん?」
「もし…もし、さ。」
「うん」
「毎回忘れて帰るの、わざとだよって…」
「…?」
「そーちゃんに会う口実つくってるんだよって…」
「うーちゃん、」
「っ…そーちゃんが好き…っ…って言ったら…どうする?」
泣きそうな声でうつむいて、でも耳は真っ赤で。
そんなうーちゃんを今までで一番愛しく思った。
「ふふっ、どうしよっか」
筆もパレットも全部おいて
うーちゃんに近づく。
「おいらも好きだから、付き合って?って、言っちゃうかも。」
「……!」
うーちゃんが顔を上げる。
泣きそうだなとは思ってたけど
もううーちゃんの目からは涙がこぼれていた。
「泣いてるし」
「だってぇ…」
「よしよし。うーちゃんかわいいなぁ」
「すき…っ」
「…おれも好き」
あとからあとから落ちてくる涙を親指ではらってそのまま唇にちゅっ
さらにうーちゃんがフリーズしちゃったのをいいことに、調子に乗ってもう一回。
「んっ…はぁ、はずかし…」
うーちゃんが首に顔を埋めて抱きついてきて、俺はその華奢な身体を抱きしめた。
設定(今更)
o→高3
a→高2
[oa/学パロ]より
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