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いくらメンバーだからって
毎日毎日会える訳じゃなくて
会えるのは週に2、3回程度。
でも、やっぱりいつ会っても
俺とリーダーはそれを続けた。
今日だっていつも通り。
楽屋入ったら隣に座って、
2人でひとつのイヤホンで音楽聴きながら同じ雑誌見て。
もちろん、手ぇ繋ぎながら。
「うーちゃん、」
でもちょっと違ったのは、リーダーの呼び方。
いつもは「緑兎」って呼ぶのに。
あれ、今恋人ごっこ中じゃねぇの?
一瞬思ったけど、うんう。
だって手ぇ繋いでんもん。
「なぁに?そ…っ、りーだー?」
ちょっとここは空気を読んでみた。
「あんさ…」
「ん…ど…した…?」
いつもとは違う重い雰囲気。
やだやだっ…
恋人ごっこやめよう とかだったら俺…、
「今恋人ごっこ中だよな?」
「ま、まぁ、うん、そうだね…」
「俺ら今恋人なんだから…」
「な、に」
「…ちゅー、しねぇ?」
「ちゅっ…!ちゅう!?」
ちゅー、なんて口に出したら
びっくりするくらい照れて、
それはもう'ボンッ'って効果音がつくくらいに顔が熱くなるのが分かった。
だって、だって、
「やっぱだめだよな」
「そんなっ!だ、だめなわけ…!」
何俺こんな必死になってんだよ!
そりゃリーダーと
ちゅ、ちゅうできるなんて
夢みたいだけどさ!
今このチャンスを逃すわけにはいかない。
少なくともリーダーはすることに
抵抗はないってことでしょ?
完全に今の発言がなかったことに
しようとしてるリーダー。
しょうがないからここで藍羽くん、男になっちゃいます!
「ぇいっ!」
「むっ、んん!?」
一瞬押しつけただけの
ちゅー…というか、…ただ唇がぶつかっただけというか…
「「………」」
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