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「あ、あのっ! ギルド登録したいのですけどっ!」
「………………それ、俺に言ってんの?」
白虎耳の女の子が俺の方を真っ直ぐ見つめてくる。もしかして間違わられてる? だよね、体揺らしてもずっと見てるし。
「えっ!? 違うのですか?
…………………………そんなにゆったりとギルドの私物を使っているのに」
「……まっ、いいけど。えっと確かここらへんだったはず」
「えぇっ!? 勝手に探していいのですか?」
「戻って来た時に直ぐ出せたら時間短縮できんだろ」
目的の紙を、目的以外の茶菓子のクッキーを啣えはみながら渡す。
「あっ、はい。と言いますかそれ食べてて良いんですか?」
「いいんじゃね? あったし、口開いてたし大丈夫だよ」
「だめですよ!! なに食べてるんですか!? 珍しいクッキーだったんですよ!?」
わーわーと1つ食っただけで五月蝿いな。
「行く前にクッキー作ってやるよ」
「えっ!?」「えっ!?」
「なんだ? その疑いの眼差しは。だが、クッキーしか作れないけどな」
台所を借り、材料はあるものだけで作り始めるとしよう。
台所に入る前に作ったエプロン三角巾を装備、二の腕まで袖を捲り上げ肘まで手を洗い、作業を始めた。
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