2310人が本棚に入れています
本棚に追加
「――と言うことで勇者が喚ばれたのです。…………………(ボソッ)紙ね」
「そうなんですか…………」
「おや、私の説明に何か問題でも? …………………(ボソッ)子ね」
「いえ、ありません…………」
フィルさんは一々、史ねと言ってきて心にザクザク刺さります。それも小声で言ってるから他の人には聞こえてないらしい。
「では、こちらが目的の場所です。…………………(ボソッ)士ね」
「はい……」
扉を開けて入ると、そこに神々しい輝きを放つ赤い剣が刺さっていて、周りにはその剣から染み出たような赤色の水溜まりが出来ていた。
「これが我がに代々継がれる聖剣、グランドリオンです」
(懐かしっ!? それわかる世代の人読んでいるのか?)
「あれっ、なんか陸華の声が……」
「どうなさいました?」
「いや、友人の幻聴が聞こえて」
なんだろう、陸華本当に言ってないよね? (只今一時間経過)
違ったら大分陸華に染まってきたかな? 世代の人が読むって、陸華みたいだな。
「そうでしたか。では改めて、この剣にお触り下さい」
「はい」
ちゃぱちゃぱ音を立てながら剣に近づく。
(いや、警戒しろよ。赤い水には普通恐る恐るだろJK)
あっ、……って何この声。
幻聴のセリフに呆れながらも目の前に立ち、剣の柄を握る。そして意識が落ちる。
最初のコメントを投稿しよう!