第七章 善は悪へ

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 そんな相手でも諦めず、あらゆる茂の考えた作戦が実行されてきた。でも全部無駄。  一番良かった作戦で、魔力生成装置を二重にした事によって強化されたフィールドの展開装置、これを使って真っ暗な空間を止めるためのフィールドと、デーモン達を止めるための結界を二重にして展開するという作戦。  結界を展開させるための機能を追加するのは簡単だった。魔力の消費量が半端ではないが、魔力生成装置を二つに増やしていたおかげでクリア。  結界を展開させるための機能を追加するのは、元々世界中にあった結界を展開させる装置を掻き集め、世界レベルで地球を覆う結界を展開させる装置も持ち出し、フィールドを展開する装置に魔力を運ぶ作業の時一緒に運ぶ事で設置させた。  外枠に真っ暗な空間を止めるフィールドを展開し、内側にデーモンを遮る結界を展開する。さらにそれだけじゃなく、救う宇宙空間の広さも円形フィールドの大きさを縮小して減少させる事で、より効果を高めた。  つまり宇宙空間を留める範囲を冥王星の範囲に留めたのだ。本来ならもっと広く宇宙空間を留めていたのをだ。  この作戦こそ絶対にいけると思っていただけに、無駄だったと知った時の反動はでかかった。いや……むしろこの作戦の失敗が、俺を今の無気力な存在にさせたのかもしれない。 『何故だ! なんであいつらは結界を破れる!?』 『しかし変です! 破けてるのはあのエリアのみ……他の場所は突破されてません』 『みりゃ分かる! 何であの一点だけ突破されてんだよ!?』  実際、結界はデーモン達の結界内の侵入を防いだ。  最初は勿論大喜びした、でもそれは只のぬか喜びで、防いでから数秒後、すぐさま結界は破壊されたのだ。  しかも不思議な事に、結界は一つのエリアのみ大きく円形にぽっかりと穴を空けられただけで、他はちゃんと起動してデーモン達の侵入を防いでいたのだ。  穴の空いた場所からデーモン達は大量に侵入し、再び俺達は同じ運命を辿らされた。
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