第零章 とある世界の四月一日

4/6
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
「……さて、みんな集まってくれて、助かるよ」 そのあと、リーフガットから全員に集合命令がかかったので、リーフガットのいた場所へ集まった。 リーフガットがいた場所は軽食店であった。茅葺き屋根が新鮮である。 「という訳で……まあ何故サリドの頬が膨らんでいるのか、フランシスカが顰め顔であるのか、それは聴かない方がいいな」団子を一つ頬張りながら、「ひとまず、私がこの数日世界を調査した結果を報告する。なに、世界事情ってやつだ」 「まず世界全体について。世界は6つに分割されていた。大小はあるものの、6つに、だ。私たちがいる場所はここ」そう言ってリーフガットは机に広げた世界地図のある場所――たしかとある島国の真ん中あたりだったように思える――を指さした。 「なるほど。それで分割されたのはどこまでですか?」サリドはそう言って尋ねる。 「そうだな。北はレイザリーとグラディアの国境であるウゴール川だ。ジャパニアは南西に位置している。今、シャルーニュもレイザリーに統合しているためにほとんどがレイザリー領と化している。レイザリーは近く国号を帝政レイザリーへと変えるらしい。ジャパニア、アポロン、フェイナー、サン・モンテカルロ、そしてプログライトの6国はレイザリーと友好関係を持っていたからか、統合されることはなかったらしい」 「……世界の殆どが宇宙に放り出された、と」 「そういうことになる」リーフガットは小さく頷いた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!