第一章 世界の涯にあるもの

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「サリド、何してるんだ?」 グラムが尋ねるとサリドは、然もグラムが解っているように早口で捲し立てるように言った。 「いくら雨風が凌げるからって、寒さは凌げないだろ? それのままでいたら良くて凍傷、悪くて凍死だからな。枯れ枝を集めて焚火でもするんだよ」 「なるほど。そりゃいいアイデアだ」 「ほら、そうと解ったらその辺の枝拾って集めてくれよ。この洞窟意外と枯れ枝多いから相当暖まると思うよ」 「燃やしすぎて一酸化炭素中毒にならなきゃいいけどな」 グラムはそんな皮肉を言いながら細々と枯れ枝を集め始めた。 † 暫くしていくと枯れ枝は少しの山が築ける程に大きくなっていた。にしてもこの量は少し多すぎである。 「こんなの一気に燃やしたら直ぐに死んじゃうだろーから、まず小さい山を作ってそこに火をつけよう。んで定期的に木を入れてけば長い間暖まれるからね」 「そりゃそうだな。サリド、そういうと思って山は既に出来ているぜ?」 グラムが言った後、サリドはグラムの後ろを見るとそこには先ほどの枯れ枝山の十分の一ほどの大きさの小山があった。 「……流石だな。こんなもんで大丈夫だろ。あとは……、」 「火種、だな……」
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