プロローグ

2/4
前へ
/4ページ
次へ
「ここまでか……」 一人の兵士が嘆く。 周りには血、肉片、死骸、死体、死体、死体…………。 一面が自分以外の兵士の死体でいっぱいになっている。 「た、助けてくれ!!」 「だれか!!」 死体はなおも増え続けている。 多くの死体の中には生き延びた兵士、そしてその兵士を死体へと変化させている元凶。 2メートルくらいの大きさで狼の姿をし、鋭い牙、ギラついた瞳は獲物を逃がさないと周りを見ている。 シルバーウルフと呼ばれるウルフ系の中でも上位に位置する魔物だ。 ランクでいったらS級。 一匹であったなら、これほどの死人は出ないだろう。 そう、一匹であったなら…………。 しかし、今この場にいるシルバーウルフの数は、優に30は越えているだろう。 『異常』 もともとシルバーウルフというのは単体、もしくは親子でしか行動しない魔物である。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加