プロローグ

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明らかにおかしいであろうこの有り様に、一人の兵士は絶望していた。 「もう助からないのか…………」 そう嘆き、前を見ると一匹のシルバーウルフのがこちらに気づき、向かってくる。 もうだめだ―――― 兵士の頭に浮かぶのは、国で自分の帰りをまつ妻と子。 すまない、俺はもう―――― 死を覚悟し、目をつぶる。 …………。 しかしいつまでたっても衝撃や痛みがない。 自分はもう死んでしまったのか? という疑問をもって目をあける。 すると、目の前には黒いローブ姿の、フードで顔を隠した背格好からは少年としか思えない人物が立っていた。 「大丈夫ですか?」 少し高い声が耳に届く。 「き、君は?というかなぜ君のような少年がこんな場所に?」
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