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ベットから跳ね起きたあずまは、バクバクと鳴る胸に冷や汗でぐっしょりと濡れた手を当てた。
何の凹凸もない、骨ばった胸。
ほっと息をついた瞬間、部屋の扉が開かれた。
「どうかなさいましたか、あずま様!?」
その言葉にデジャブを覚え、あずまはぎくりと肩を強張らせた。
ぎこちなく視線を向けると、いつもと変わらぬ姿をしたセレがいた。
「叫び声が聞こえたと思ったのですが。やめてくれ、と・・。ですが、ご無事のようですね。良かった。」
「あぁ…平気だ。・・・ただの、悪夢だ・・・。」
良かった、夢だった。・・・もう二度と見たくはないが。
げっそりとしたあずまの表情に、セレは不思議そうに首を傾げるのだった。
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