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「・・・俺思うんだけど、存外俺はアイツらを馬鹿にしてはいけなかったんじゃないか?」
目の前で俺の話を聞いているのか聞いていないのかわからない高橋に、返事を期待するでもなく呟いた。
高橋は読んでいる本から顔をあげない。
もともと放課後教室に残っていた、女子生徒の中ではわりと仲の良い高橋を見つけ
相手が本を読んでいるにも関わらず勝手に話していただけだ。
ため息を一つはいて窓の外をみた。
三階の校庭側にあるこの教室からは、サッカー部や野球部の練習風景がよく見えた。
静かにしていれば声だって聞える。
「・・・いいんじゃない?別に」
高橋が目線をそのままにそう言った。
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