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「私に話して、早瀬川は何をしてほしかったのよ」
「別に、・・・ほら、あるじゃん。
『誰かに話すと楽になる』って」
高橋はそれだけでは納得いかなかったようだ。
「ほんとだって」
「ふーん、」
気まずい雰囲気が教室に流れた。
急にガタリ、と机と椅子が同時に音をたてた。
高橋が立ったようだ。
「・・・帰るのか?」
「えぇ、帰ります。暗くなってきたもの」
眺めていたはずの校庭はいつのまにか紺とオレンジの混ざった空に覆われていた。
「じゃぁ、また明日」
「あぁ」
ここで高橋を家まで送ることはない。
そういう仲じゃないから
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