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カーテンから漏れる太陽の光の眩しさに、俺はベッドで目を覚ました。
見慣れない部屋の風景。
そうか。お姉さんの部屋に泊まったんだった。
「……う、うん……」
可愛らしい寝息。ショートヘアのお姉さんが寝返ると、一糸纏わぬ姿があらわに。
薄手のブランケットを彼女の体にかけ直した。
そして俺は壁に掛けられた時計で時間を確認する。
朝の7時15分。
ぐーっ………。お腹がすいた。朝ご飯を食べたいぞ。
お姉さんは眠ったまま、別にヤリ逃げするつもりもないし、書き置きなんてしなくていいだろう。
Tシャツとボクサーパンツを身に着けて、ハーフパンツのジャージを履く。
そして財布だけを持って、お姉さんの部屋を出た。すぐ近くにコンビニがあったはすだ。そこで朝飯を調達しよう。
玄関から出て、俺は思わず足を止めた。
春先の心地よい涼しい風が吹いていた。優しく俺の頬を撫でていく。
7階の高さから駅前の様子がよく見える。
後ろの交差点にきたバスに気付いてバス停まで小走りになるサラリーマン。駅に向かって、必死に自転車を漕ぐ高校生の集団。
その側でおばちゃんが散歩している犬が吠えている。
駅に滑り混むようにしてやってくる宇都宮行きの電車がやってきたのも見えた。
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