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「ないない、異世界とか馬鹿げてるな。」
自嘲気味に笑いながらその考えを否定する。
「キュキュ?」
「よしよーし。そうだ!お前に名前を付けてやろう。」
「キュー!」
お、まさか言葉が通じるのか?
人の言葉が解るとなるとそれなりに知能の高い生き物なんだろうか。
「よし!んじゃ、今日からお前はシロタだ!」
真っ白いからシロタ。
うん、そのままだな。
我ながら自分のネーミングセンスの悪さに苦笑する。
「キュキュー!」
なぜか気に入られた。
あれか、さっき知能が高いと考えたがこの竜?もどきもといシロタは案外馬鹿なのか?
「キュッキュキュキュー」
余程嬉しかったのかまだ小さい翼をパタパタと羽ばたかせ、訳の分からない歌を歌っている。
「お前ほんとどこから来たんだ?」
先程のようにシロタの頭を撫でようと腕を伸ばす。
すると、頭に触れる寸前のところで、シロタの体から目も開けれないほどの光が廃工場を包む。
「な、なん、ッ―――」
そこで俺の意識は途絶えた。
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