最終章

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その部屋に近づくにつれ、音楽が大きくなっていく。 扉の前まで行くと、片手で拳銃を持ち、もう一方の手でドアノブに触れる。 そして、篠原はドアノブを回し、勢いよく部屋の扉を開け放った。 その直後、部屋のソファーに座っていた男はそこから立ち上がると、こちら方に振り返った。 「警察だっ! ……両手をゆっくりと上に上げるんだ」 篠原はその男に銃を突き付ける。 男は言われた通り、ゆっくりと両手を上に上げた。 ……まさかとは思っていたが、やはり。 篠原にはその男の顔に見覚えがあった。 そして、あの電話に出てきた名前から、目の前にいる男の顔を想像していたのだ。 「……今野進(こんの すすむ)だな?」 そう問いかけると、目の前にいる男━━進は頷いた。
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