最終章

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「何故、SATORUが男だということを知っているのかと聞いた時、杉崎亜沙美は言い淀(よど)んだ。そして、心当たりがあると言った。 推測だが、言い淀んだのは身近な人物、例えば親しい知り合いや友達だったからではないだろうか。だとすれば、言い淀んだことにも納得が出来る。……つまりだ、彼女はSATORUという人物を知っている。そして、その人物だからこそ彼女は思ったのだろう。自分の手で決着をつけなければと。 あと、彼女が自分の居場所を言わなかったのは、秋山や相沢の時のような事件か起きる可能性があるから、俺達にこうさせたかったからなのだろう。……だが、恐らく一番の目的は、誰にも邪魔されないようにする為だったんだろうがな。 ……まあ、とりあえず今は彼女を信じて待とう。きっと、俺達にしか出来ないことが出てくるはずだ」 話を聞き終えると、小野村は力強く「はいっ!」と言いながら頷いたのだった。
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