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表情からは何も窺(うかが)うことが出来ず、虚ろな瞳をしている。
そう、まるで誰かに操られているかのように。
「ねえ、あの人……ずっとあそこに座ってません?」
「そうね……リストラにでもあったのかしら」
石井をチラチラと見ながら、公園の隅(すみ)で主婦達は話ていた。
しかし、それに気づくこともなく、石井は瞬(まばた)き1つせずにただぼんやりと周りの光景を眺めているだけだった。
だが、何の前触れもなく当然ベンチから立ち上がる。
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