最終章

40/87
前へ
/246ページ
次へ
表情からは何も窺(うかが)うことが出来ず、虚ろな瞳をしている。 そう、まるで誰かに操られているかのように。 「ねえ、あの人……ずっとあそこに座ってません?」 「そうね……リストラにでもあったのかしら」 石井をチラチラと見ながら、公園の隅(すみ)で主婦達は話ていた。 しかし、それに気づくこともなく、石井は瞬(まばた)き1つせずにただぼんやりと周りの光景を眺めているだけだった。 だが、何の前触れもなく当然ベンチから立ち上がる。
/246ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1213人が本棚に入れています
本棚に追加