最終章

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そして、虚ろな瞳で歩きだすと、石井は公園を出た。 この時の彼には、自分が何処に向かっているのかという自覚はなかった。 ただ、足が動いているだけなのだ。 それから20分後、小川商事という会社の前にたどり着くと、その会社の中に入って行った。 しばらくの間、1階のフロアで立ち止まる。 この時も、石井には何も見えておらず、何も聞こえてはいなかった。 そして、石井は体の向きを変えると、階段の方へと歩き始めた。
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