最終章
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通話中になっている携帯電話を見ながら、篠原は待っていた。 亜沙美からの会話から数分が経っている。 「……まだ、犯人とは接触していないようですね?」 隣にいる小野村が声をかける。 「……そうみたいだな」 先程聞こえてきた音から、今、篠原達に分かっていることは、亜沙美が何処かの建物に入り、エレベーターに乗っているということだけだった。 ……まだなのか? 緊張した面持ちで篠原は携帯を見つめる。
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