最終章

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だが、篠原には思い当たる人物がいなかった。 ……いったい誰なんだ。 そう疑問に思いながら、2人の会話を聞いていた。 そして、篠原はある程度までその会話を聞くと、頭の中で分かったことを整理する。 ……おそらく、この人物がSATORUなのだろう。会話から、木嶋雄太は死んでいることになる。リストにあったのは2人。なら、必然的に斎藤という人物がSATORUになる。 そして斎藤の話から、アノゲームは飯島の別荘でおこなわれており、人が操られているということだが……。 「……篠原さん、この話、本当何ですかね?」 「確かに、この話を信じれば動機が分からなかったことも説明が出来る。 それに、1日だけ行方不明になり、その日の記憶がないのも納得出来る。頭にそんなチップを入れられて、記憶がある方がおかしいからな」 「そうですけど……話が突拍子(とっぴょうし)すぎて、にわかには信じ難いです」 「まあ、確かに……実際目(ま)の当たりにしたわけではないから、現実味がないんだよな。……だが、その話を嘘だと吐き捨てるわけにもいかない。可能性がある以上はな」
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