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篠原は真剣な表情で携帯を見ながら小野村にそう言った。
携帯からは今だに2人の会話が聞こえてくる。
『……今、操作されている人はどこにいるの?』
『小川商事(おがわしょうじ)という会社に向かっています』
『小川商事? ……どうして、そんな所に?』
『その屋上から、目の前にあるスクランブル交差点に向けて、ガラス瓶を落とします。そのガラス瓶の中身は、殺傷性の高い新種のウイルスが入っています。
それは空気感染し、瓶が割れた瞬間、その近くにいる人は死にます』
「何だとっ!」
篠原は思わず椅子から立ち上がった。
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