場面2

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そこの店主は 眼鏡をかけて少し小太りの 優しそうな人だった。 10人ほどの大人たちが みんな席に着いたにも かかわらず、 料理が運ばれてくる 雰囲気もなし。 (水が一回運ばれてきた程度) ただただ押し黙ったままで、数分が経過した。 なにが起こっているのか ここはどこなのか、 聞きたいことは 山程あったけど 母さんは遠くの席に 座ってしまったし、 なにより雰囲気が重過ぎて、俺には口を開くことができなかった。 カラン・・ 氷が溶けて微かに音が鳴った。 男の一人がようやく口を開いた。 それはあの体格の良い男だった。 「とりあえず、みんな・・久しぶり・・」 しかし誰もその呼びかける者はなく ただ男に目線を一瞬上げただけで また目を逸らしてしまった。 .
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