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そこの店主は
眼鏡をかけて少し小太りの
優しそうな人だった。
10人ほどの大人たちが
みんな席に着いたにも
かかわらず、
料理が運ばれてくる
雰囲気もなし。
(水が一回運ばれてきた程度)
ただただ押し黙ったままで、数分が経過した。
なにが起こっているのか
ここはどこなのか、
聞きたいことは
山程あったけど
母さんは遠くの席に
座ってしまったし、
なにより雰囲気が重過ぎて、俺には口を開くことができなかった。
カラン・・
氷が溶けて微かに音が鳴った。
男の一人がようやく口を開いた。
それはあの体格の良い男だった。
「とりあえず、みんな・・久しぶり・・」
しかし誰もその呼びかける者はなく
ただ男に目線を一瞬上げただけで
また目を逸らしてしまった。
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