扉の向こう

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 それきりすべてが消え失せて辺りが明るくなったのは、スピーカーから流れてくるピアノ音楽のせいだった。  それに続くのは、女性の声のアナウンス。 ――閉館まで、あと十分です。本を借りられる方、返される方は、カウンターまで……  僕は『扉』を閉じて、少し眺めた。  カウンターで手続きを済ませてから、僕は図書館を後にした。
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