出逢いと別れは運命の如く

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「茜さん…茜…さん…うっ…うぅ…」 泣き出した私にも関わらず男達は建物の最上階の部屋に連れていこうとしていた 「ひっく…茜さん…茜さん…」 「…ついたぞ」 「…?」 着いた先は、控え室みたいな部屋だった そしてしばらくしてからある男性が部屋に入ってきた 「お帰りなさいませ蓮様、おっしゃっていた娘さんを連れてきました」 れん…? 「おお、ありがとう」 蓮様という人の顔が見えた瞬間驚いた 凄く茜さんに似ていたからだ 「…あ……」 「ん?どうしたんだい?度肝を抜かれたような顔だね」 「あ…いえ…」 「さっきは茜が君の世話をしてくれたみたいだね?何か失礼な事を言ってなかったかい?」 「…いえ…何も、…それより茜さんを知ってるんですか?」 「ああ…、茜は僕の双子の兄貴なんだ」 茜さん弟さんがいたんだ… それにしてもよく似ているなぁ 「それより、君はとても顔つきがいいね…」 そう言って蓮さんは私の頬にソッと指を触れさした ビクッとした私は怯えながら蓮さんを見た 「そんなに怯えなくてもいい、君に少しショーに出てもらいだけなんだよ」 「ショー…?」 なにそれ どういう事… 「ああ、でも君は足が悪いんだったね…」 「あ…」 そうだ、私は足が悪いからショーなんかに出られない! 良かった…、これで茜さんのところに 「いや、車椅子にでもなんでも乗せて出すか…」 「え…?」 車椅子…? どうしてそこまでして…?! 「すぐ車椅子を用意しろ」 「はい」 「えっ…?!」 今の事態が大変だと気づく頃にはもう手遅れだった
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