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蓮さんが後ろからゆっくり車椅子を押し、私はショーと呼ばれる舞台の上に出された
「ひっ…!もっ…もう許して下さい蓮さん!!」
「少し黙って」
「嫌ッ!私を茜さんのとこ…」
「…ッ!!」
「んんッ!」
急に口の中にハンカチを詰められ言葉を発する事ができなくなった
《足が不自由ですが、自分の隣に置くのも有り!話し相手も良し!夜のお供に良し!》
「んんんんッ!!」
怖いッ…!
私、知らない人に売られちゃうの?!
嫌ッ!!嫌ッ!!
茜さん!!お父さん!!お母さん!!誰かッ!!
《では…10万から!》
私の目の前では、札束を握りしめながら叫ぶ男性達が広がっていた
「桜子…もう少し耐えて」
「んん…ん…」
私は怖くなって泣き出してしまった
《20万…50万…87万……もういませんか?》
もう…駄目だ…
「200万!!」
その声が響き渡った瞬間、会場は沈黙に包まれた
《に…200万…で落札!!》
「良かったな桜子…」
「…………」
もうどうでもいい。
《では落札者のお方は後程控え室にお越しください》
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