濁った世界の片隅で

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そんな所に私“桜子”はいた。 「はぁ…はぁ…」 白い吐息を吐きながら、私は廃棄所の片隅で体を丸めていた。 寒い 臭い お腹空いた そんな事で頭がいっぱいだった。 なにしろ古ぼけたワンピース一枚で錆びれた城ヶ根にいたのだから尚更そう感じた。 「お父さん…お母さん…」 呼んだって来るわけない、今までだってそうだったじゃないか。 廃棄所に捨てられて3日 毎日そう呟いては絶望しもしかしたらと希望も抱いていた。 「………寒い………」 もう指先に感覚がない 足だって動いているかわからない。
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