濁った世界の片隅で

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中はひどく感じが悪かった 紫やピンクの照明が照らされたロビー 防音が厳しい部屋 そしてそんな部屋から微かに見える裸の男女 怖いッ! 自分がこれからどうなるのか考えると身の毛がよだった 「ここだな」 そう言って立ち止まったのは百合の暖簾がかかった和室だった 「茜さん、例の娘です」 あかね…? 名前からして女性だと思い、私は少しホッとした 「あいよ、入っといで…」 声からして優しそうな人だ! そう思った矢先… 「あら、本当に小娘かい?なんだよ本当は可愛い坊やかと思って期待したじゃないかい」 男…? 明らかに格好は女性だが、この人は男だ! 「え……っと…あの…」 「怖がらなくても良いよ、あたしは男にしか興味ないんだ!だから小娘のお前さんにはちっとも欲情しないよ」 「は…はい…!えっ…?」 男性なのに男好き?! どういうこと?? 「では、茜さんよろしくお願いいたします」 「いつか相手してよ!あんた達」 「しっ…失礼します!」 「ふふふ…いけずなんだから♪」 茜さんという人はクスクス笑いながら、私の方に顔を向けた 「アンタ、汚いねぇ…髪の毛もパサパサじゃないか!……ッ!?」 茜さんは突然男のような表情を(男なんだろうけど)みせ、私はビクッとした 「アンタ…!足壊死してるじゃないか!?」 えし…? 最初そう聞いた時はわかんなかった 「長い間ずっと寒い所にいたのかい?!」 そう言われ、コクンと頷くと感覚のない足を茜さんは優しくさすってくれた 「可哀想に…こんな小さい女の子を……」 私にはなんで茜さんが悲しんでるのかわかんなかったが、初めて他人の優しさに触れて胸の奥が苦しかった。 すると途端に涙が出てきた… 「うっ…うぅ……」 「可哀想に…、とにかくアンタには義足が必要ね。でもその前にお風呂入りましょ」 「…っく…は…い…」 そう答えると茜さんは私をお姫様だっこしてお風呂場へと運んでくれた
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