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私は涙声で呟いていた。
怖い……誰か知らない人が私を見てるんだ。何をしてるかとか、全部。
部屋の壁が、人の目で覆いつくされているような感覚だった。
お母さんを連れ去って、自分の生活をも脅かす人物が私を好き?
考えたくない! 気持ち悪すぎる。
だったらいっそ私の前に出てきてくれればいいのに。目の前でそう話してくれた方がまだいいよ。
それだって嫌だけど、隠れてコソコソと覗かれている方が、もっと嫌だし。
私は思いきって、母の携帯にメールを送る。
勿論、見えない犯人へのメールだ。
《貴方は誰なの?
母は無事なの?
こんなやり方はしないで欲しい。
今ならちゃんと話しを聞くから、母を返して。
お願いだから》
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