第一幕:プロローグ

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一通のメールが、私の携帯に届いた。 それは、非現実的で驚愕の世界への小さな入口。その幕開けとなる第一歩だった。 《受信メール1件:母》 「ん? あれっ?」 「どしたの円香(まどか)?」 私の向かいに座る雛子(ひなこ)が、不思議そうに首を傾げていた。 放課後になると、必ず立ち寄るファーストフード店で、私達はいつも通りお喋りをしていた。 「いや、お母さんからメールきたんだけどさ……」 普段急用がない限りは連絡などして来ない母。 胸騒ぎがした。 「ちょ、ちょっとごめん」 一言謝罪し、携帯のキーを操作する。 《円香さんへ。 初めまして。これは、貴女のお母さんの携帯ですよね? 知ってます。 だって、僕の傍らには、貴女のお母さんが居るのですから。 だからね? 分かりますよね? 誰にもこの事を言ってはなりません。 盗聴もビデオカメラも、ちゃんと設置してありますからね。 嘘だと思うなら、警察に電話してごらんなさい。 僕は捕まるでしょう。 でもね? 貴女のお母さんも、この世からさよならする事になります。悲しいですね》
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