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何!? これ……。
思考が一瞬停止する。
お母さんが? まさか、そんなはずない。そんなはずある訳ないよ。
しかし、何度見ても送信履歴はお母さんの携帯で間違いなかった。
自分の手が震えているのに気付く。
「おーい? 円香? 何かあったの?」
雛子の声で我に返る。
「えっ? な、何?」
メールの内容に夢中で、雛子の存在をすっかり忘れていた。
メールは表示したままにして、一旦携帯を閉じる。
「何って、メール見て固まってたからさ。って……何かあった? 顔色悪いけど……」
眉を下げ、私の顔を覗き込む雛子。
「な、何でもないよ? うん、大丈夫だから」
嘘だった。
今にも心臓が弾け飛びそうで、鼓動が激しく波打っていた。
雛子に心配をかけてはならないと必死で平静を装うが、頭の中はパニック状態。
汗が背中を伝うのが分かった。
「ごめん。雛子。今日はちょっと家に帰るね……」
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