第一幕:プロローグ

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何!? これ……。 思考が一瞬停止する。 お母さんが? まさか、そんなはずない。そんなはずある訳ないよ。 しかし、何度見ても送信履歴はお母さんの携帯で間違いなかった。 自分の手が震えているのに気付く。 「おーい? 円香? 何かあったの?」 雛子の声で我に返る。 「えっ? な、何?」 メールの内容に夢中で、雛子の存在をすっかり忘れていた。 メールは表示したままにして、一旦携帯を閉じる。 「何って、メール見て固まってたからさ。って……何かあった? 顔色悪いけど……」 眉を下げ、私の顔を覗き込む雛子。 「な、何でもないよ? うん、大丈夫だから」 嘘だった。 今にも心臓が弾け飛びそうで、鼓動が激しく波打っていた。 雛子に心配をかけてはならないと必死で平静を装うが、頭の中はパニック状態。 汗が背中を伝うのが分かった。 「ごめん。雛子。今日はちょっと家に帰るね……」
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