第一幕:プロローグ

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*** 息を切らしながら、ようやく家に着く。 確かめる事。それは簡単な事だった。 お母さん帰ってたりしないかな? キャラクターのマスコットの付いた鍵を鞄から取り出し、鍵穴に合わせ差し込む。 私はふと思い立ち、そのままドアノブを握った。 まさか……ね。 鍵を回していない。 嫌な予感がして、恐る恐るドアノブを捻った。 カチャ。 聞きなれた金属音。 そして、開くはずのないドアが開いた。 「嘘……でしょ。なんで……」 私は独り言を呟きながら、ゆっくりと扉を引いた。 日の落ちかけた夕暮れのせいで、玄関は真っ赤に染まる。 シンとした冷たい冷気漂う静寂だけが、私を静かに迎えた。
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