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「お母さん!」
私は母を呼びながら、キッチンへと向かう。
築年数の経った家の床が、ミシミシと音を立てる。
母の姿は見当たらないが、朝と変わりなく部屋は片付けられていて、誰かが侵入した形跡は無かった。
居ない。本当にあのメールの通りなの?
不安になりながらも、ふとある事に気付いた。
「お母さん……まだ帰って無いだけかも……」
私はポケットに仕舞った携帯を取り出し、さっき送られてきたメールを読み返す。
どこか気持ちの悪い文章。
母の携帯から送られているとすれば、やっぱり、母は何処かへ連れ去られているのかも知れない。
悪戯だとしたら、タチが悪すぎる。
「でも、携帯を落としてしまったとか……」
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