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「…!!」
びっくりした。知らない人に話しかけられた。
目の前の銀髪の人は、私を見つめている。
この人、侍かな?直感で、そう感じた。
「…私、この江戸の町に来たばかりなんです。だから、家も…お金もありません。」
「そっか…じゃあ、俺の家に来る?俺は、万事屋っていう何でも屋をしてるんだ。頼まれれば、何でもするぜ。」
「でも私、お金持ってないです。」
「じゃあ、働けばいい。一階に、知り合いのババアの経営するスナックがあるんだ。そこで、働いて金作ればいい。」
「ほ…本当ですか?」
「あぁ。…来いよ!!」
そう言った銀髪さんは、ニコッと笑った。
私は、その笑顔にドキッとした。
何より、真っ直ぐな目をしていた。
この人は、やましいことを考えていない。本気で私を助けようとしてくれている。
そう確信した私は、銀髪さんの後をついて行った。
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