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「木下センパイ」
「なに?」
「へんなことばかり言ってると、セクハラで訴えますよ」
「それは怖いな」
わざと低い声を出すと、木下センパイは楽しそうな表情を崩さないまま肩をすくめた。
「でも、訴える相手がいないよね。ちなみに俺、郁斗と虎宇に睨まれても怖くないから」
「それはわかってます」
「そうなの?」
「はい」
「じゃあ誰に…」
不思議そうに首を傾げる木下センパイに、少しだけ顔を寄せる。
なるべく声が葵センパイに聞こえないように気をつけて――、
「響に言います」
その言葉を言い終わるより早く、木下センパイの表情がビシリと固まった。
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