文化祭の恋模様

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「葵と美月、くっついて寝て幸せそうだね」 「ちがっ」 「え? 違うの?」 「違くねぇ! …って、そうじゃなくて、これをあいつらに渡したのかよ!」 「うん。付き合いはじめてすぐやっちゃうなんて、葵もすごいなって感心してたよ」 「……そこは違ぇし」 葵センパイはガックリとうなだれてしまった。 そんな純粋で可愛い葵センパイと違って、木下センパイはたちが悪い。 完全に葵センパイをからかって楽しんでいるみたいだ。 会長に、虎宇センパイに、木下センパイ。 生徒会メンバーはいじめっこだらけだ。 「写ってるのは裏庭だろ? 外っていうのはあまり賛成できないけど、まあ…人の趣味に口を出しても仕方ないしね」 なんて、意味がわからないことを言い続けている木下センパイに呆れてしまう。 あんなことをした後なのに、脳内常春なのは相変わらずみたいだ。
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