文化祭の恋模様

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「ちょ、ちょっとそれは困る…、かな?」 「木下センパイって、ほんとに響が好きなんですね」 「なんかその言い方は嫌かも。誤解されそうだよ……」 さっきまでの余裕が嘘みたいになくなってしまった木下センパイは、階段の下を落ち着かなそうに何度も見ている。 へんな噂が広がらないか、本気で心配しているみたいだ。 でも、誰かに聞かれても大丈夫だと思う。 後で知ったことだけど、「女の子が大好きな木下センパイ」は一年女子の間でも有名だったから。 「まさか美月にそう反撃されるとは思わなかったよ。……もしかして、今日のこと怒ってる?」 「当たり前です」 腰に手を当てて胸をそらしてみせたら、なぜか木下センパイは吹き出してしまった。 「美月が怒っても怖くないや」 「……ほっといてください」 木下センパイがしおらしくなっていたのに、これじゃあ台無しだ。 葵センパイをいじめた仕返しができると思ってたのに……。
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