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文化祭が終わってもうすぐ一週間。
事後処理に追われてずっとバタバタしていた生徒会も、やっと落ち着きを取り戻していた。
……っていっても、ここまでのんびりしていいのか疑問だけど。
膝の上でふわりと広がるのは、蜜色の髪。
葵センパイが動く度に柔らかい髪が膝に触れて……、少しくすぐったい。
「あの、葵センパイ」
「ん?」
「そろそろ会長が戻ってくるかも」
「んー…」
気のない返事をする葵センパイに困ってしまう。
今は生徒会室にふたりきりだけど、職員室に行った会長が戻ってくるのも時間の問題だ。
それに、虎宇センパイだっていつ来るかわからない。
「ミーコ、膝枕して?」なんて言いながら首を小さく傾げた葵センパイが可愛すぎて、思わず頷いてしまったけど……。
何度もドアと葵センパイを交互に見ていると、葵センパイはゴロリと寝返りをうった。
「もーちょい」
「会長が来ちゃいますよ」
「ミーコの膝枕、気持ち良すぎ」
「……せ、せんぱい」
「このまま眠りたいんだけど。なあ、だめ?」
ぱちっと目を開いた葵センパイが、じっと見つめてくる。
色素の薄いキレイな瞳に吸い込まれそうになって、私はこくんと喉を鳴らした。
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