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おかしい。
さっき微妙に聞こえてきた女の子みたいな声のことだけじゃない。
言ってなかったがここのごみ置き場にはごみバケツが二つ常備されている。
俺の帰りが遅くなったためごみの回収はすでに終了しているはずだ。
しかしこのバケツは重かった。
俺が当たっても倒れずに、しかも動かなかったのだ。
ふむ、業者がゴミを回収し忘れたというのはまずありえない。
となると回収後にごみを捨てた人がいるのか?
その可能性は非常に高い。
高いのだが……。
なぜだ、中身が気になる。
バケツのふたに手を掛け、中身を見ようと引き上げたところで……
バッ!!
「うわっ!?」
……マウントをとられていた。
そして同時に頭に何か硬いものを突きつけられる感触。
俺が後頭部を強打した痛みをこらえて目を開けると
目の前には縞々模様の何か
「て、手を頭の後ろに!!」
そして震えながら銃を俺に突きつけている女の子。
って、何この状況!?
「わ、わかった!わかったから撃つな!!」
てか見えてる見えてる!
しかし、俺にはどうしようもなかった。
少女が手にしているのはGシリーズの拳銃。
セミ/フルオート切り替えレバーと、スライド上部にコンペセイターがあることからG18Cであろう。
なぜ俺がこんなに銃に詳しいかというのは後々話すこととして……。
とにかく俺が今危機的な状況に陥っているのは確かだった。
何なんだよ!?今日は厄日か!?
すると今度はもう一つのバケツから
「あ、葵!大丈夫!?」
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