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十五時間前――
三月某日、本格的な春休みの始まりだからといってこの俺、御巫 稚彰(みかなぎ わかあき)は惰眠を貪ったりしない。
なぜならゴミ出しができないから。
訳あって実家から遠く離れてマンション生活をする俺にとって毎週この日は重要な曜日であった。
一週間でもそこそこのゴミが出る。
すぐに生活の支障が出るほどの量ではないが、そんなことを言っているとこの部屋がすぐにゴミ屋敷になるので毎週出すようにしている。
俺は親の意向によって、長期休暇の初日の朝、俺は親に電話をかけなければいけない。
成績の事などを話しつつ、母のありがたいお話を聞くのだ。
電話をしないと親が抜き打ち検査にくる(過去に一度あった)のでこれも欠かさず行う必要がある。
さて、いい加減ベットから出るか……
俺の朝はいつも身だしなみから始まる。
男たるもの身だしなみはきっちりせねば。
別に潔癖症ってわけじゃないけどほら、寝癖ぼさぼさなのはいやだからな。
顔を洗って髪をセットしてさっぱりしたところで朝食。
無難に米と目玉焼きに野菜炒め。
食器を片付け終われば待ちに待った定時連絡。
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