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オーリエの言葉にその場が一瞬、静まり返ったけど、次の瞬間、皆が一斉に口を開く。
「な、何だって、ノルティいつの間に」
図書館にいたぼんやりしたお兄さんだろうか?
「ノルティのくせに生意気ですわ」
アレイラ、どんだけ上から目線なんだ。
「ノルティさん、本当ですか?」
ずっと静かだったユクまでが興味を示す。
「な、何を言ってるですか……そんなことあり得ません。ボクはリデル一筋なんですから」
そりゃどうも。
当の本人としては、どう反応していいか返答に窮するけど。
「おかしいな、侍女の子達がそう噂していたんだけど」
オーリエは何故だか、宮殿の侍女の女子達に絶大な人気を誇っている。
まあ、気持ちはわかるけど。
「ノルティが最近、美少年といつも一緒にいるって聞いたんだが」
「ああ、それはトル……もがもが」
オレは慌ててノルティの口を押さえる。
「とる……?」
「と、取るに足らない噂話だって」
「そうなんだ」
オーリエはちょっと残念そうに見えた。
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