忘れられた都とオレ

3/23
9078人が本棚に入れています
本棚に追加
/726ページ
「ユクはヒューのこと知ってるの?」 何気なく言うとユクは勢い込んで答える。 「何、言ってるんですか。『白銀の騎士』様と言ったら、強くて美しいと評判の騎士様じゃないですか。女の子の憧れの的ですよ」 し、知らなくてごめんよ。 何しろ元男の子だからねぇ。 憤慨しているユクを尻目にヒューに尋ねた。 「憧れの的だってさ……相変わらず凄い人気だね。で、話は変わるけど、彼女も一緒に帝都へ連れて行こうと思ってるんだけど、ダメかなぁ?」 一瞬、ヒューは目を瞠(みは)ったけど、すぐに頷いた。 「リデルがそうしたいなら、私に異存はありませんよ」 基本、ヒューもクレイもオレに甘すぎると思う。 だんだん自分がわがままになっていく気がする。 気をつけなきゃいけないけど、こういう時はありがたい。
/726ページ

最初のコメントを投稿しよう!