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「ユクはヒューのこと知ってるの?」
何気なく言うとユクは勢い込んで答える。
「何、言ってるんですか。『白銀の騎士』様と言ったら、強くて美しいと評判の騎士様じゃないですか。女の子の憧れの的ですよ」
し、知らなくてごめんよ。
何しろ元男の子だからねぇ。
憤慨しているユクを尻目にヒューに尋ねた。
「憧れの的だってさ……相変わらず凄い人気だね。で、話は変わるけど、彼女も一緒に帝都へ連れて行こうと思ってるんだけど、ダメかなぁ?」
一瞬、ヒューは目を瞠(みは)ったけど、すぐに頷いた。
「リデルがそうしたいなら、私に異存はありませんよ」
基本、ヒューもクレイもオレに甘すぎると思う。
だんだん自分がわがままになっていく気がする。
気をつけなきゃいけないけど、こういう時はありがたい。
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