0人が本棚に入れています
本棚に追加
穏やかな昼下がり。
晴天の空。見事なまでの快晴で屋上で寝転んでると簡単に夢を見ることができる。
そして、平日の地元の名門学園の屋上に授業に出席もせずに寝転んでいる生徒が一人。
サボりとわかるそれにどんな不良がかと思えば見目麗しい眉目秀麗な少女であった。
一目見れば気後れするほどの美貌を持つこの生徒は………枕持参で実に心地よく眠っていた。
季節は春。衣替え前の黒いセーラーをまとっている。
遠目からはごみが捨てられているのかと思えそうなほど少女は微動だにしない。
ふと、その目があけたれた。寝起きに似つかわしくないほどぱっちりと漆黒の瞳を空気にさらし、少女は起き上がる。
腰にまで届く黒髪。目にかかるかかからないかの前髪が風に吹かれなびいた。爽やかに彼女をおおう空気を裏切って寝起きの開口一番に彼女は学園中に届くほどの大声で叫んだ。
「厨二病が、直らないーーー!!!」
春うららかな昼に響いた場違いな大声は見事に授業の妨害を果たしたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!