第三訓

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待たせてしまったようで申し訳なく思いながらも目の前に並べられた純和風で質素な献立に自然と顔が綻んだ。 近頃入院のせいで味気無いものばかり食べていたせいか、こんな食事は久しぶりに思える。 一番箸の近くにあった小鉢のお浸しを口にいれる 久しぶりに食べる普通の食事は、涙が出そうになるくらい美味しくて、無我夢中で食べ進めていった。 「よく食べるな あんま食うと太るぜ?」 またこの男は余計な事を・・・ 「いいんです 私は少し太った方がいいと人に言われるんです!」 嘘は言ってない 一時期病院のご飯が嫌で食べなかったから、食べても太らない身体になってしまったのだ 今更太る太らないを私が気にしてもあまり意味はないと思う そんな私の言葉に沖田さんは驚いたような顔から口元に笑みをはりつけた表情へと変わる 「・・・へぇ? 昨日まではあんなにびくびくしてたのに、もうこの環境になれたのかい? 俺に言い返してくるなんざえらい進歩だな」 「ぐっ・・・!」 言い返せない自分が恨めしい 確かに昨日は刀が怖くてびくびくしてたし・・・ こんな事で弱みをつくるなんて最悪だ!! そんな事をしていたら大方の隊士は食事を終えたようで、残ったのは昨日いた(おそらく幹部)メンバーだった 食べ終わった皿を片付けていると、三人の中の一番小さな子が私の前に立ちはだかる 「昨日ぶりだよな? 俺藤堂平助ってんだ! 改めてよろしくな!」 そういって満面の笑みを浮かべる藤堂さんの回りには、綺麗な黄色いお花が咲いている どちらかと言えばこっちのが理想の沖田さんに近くて・・・ 「・・・可憐だ・・・!」 「? なんかいった?」 「いえなにも!!!」 あやうく本心を晒すとこだった・・・
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