プロローグ

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物心ついた4歳の春 私は母にある事を告げられた。 それは、私には他者の傷を癒す力がある事。 その力は強く、自らの身体を弱めてしまう事。 そして、他者の傷を癒せばそれは自分の身体に痛みとなって返ってくる事。 幼い私はそれがまだ理解出来なかった。 小学5年生の夏 初めて力を友達に使った。 友達は侮蔑したような瞳を私に向けて離れていった。 私に残ったのは、友達を癒した痛みと、あの化け物を見るような瞳の残像だけ この力と私はいらないものなのだと知った。
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