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私自身噂を信じてたわけじゃないんだけど、貸し出した本の栞を興味本位で覗いた時に、その本の栞が入ってたら信じるしかないじゃない。
「しょうがないかぁ・・・
また今度探そ・・・・」
今日こそはと考えて早く来たけど意味がなかったみたい。
とりあえずまだ見てない奴から先に読んじゃお・・・
新撰組が大好きで沖田総司さんに恋をしてしまった私。
だって物語の中の沖田さんは優しくて強くて、すごくあったかい人で。
そんな人に惹かれた私は、いつの間にか時間あれば図書室に通う、通常歴女(これが本当の通い妻ってか!!きゃっ!!)になっていた。
痛くてごめんなさい反省してます。
後悔はしていません。
何気なく目についた本を持って椅子に座り読むこと3時間。
既に時計は8時を回っていて、夜ご飯から一時間もたっていた。
「見つかったらやばいっ!!」
本をもとに戻して音をたてないように部屋から出れば一気に廊下を走った。
スリッパのペタペタとした音と、ゴムの擦れる音が廊下に響く。
やっぱり少し痛いけど、背に腹はかえられない!!
そんな時、ふと空に目をやればそこには紅い大きな月と、真っ黒な空。
血に染めたような赤い月は、私の身体をゆっくりと止めてしまう。
早く帰らないといけないのに足が動かない。
空から目が離せない。
「・・・・やっと見つけたよ」
誰かの声が聞こえた。
それは誰のものか分からない、でもとても落ち着く声。
私の意識はそこでぷつりと切れた。
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